今更会

今さら観ていない・読んでいないとは言いづらい映画・本を読む会

【風と共に去りぬ(Gone with the wind)】

ずっと観ようと思っていたのに、なんで今まで手を出してなかったんかな…。

たぶんその大きな要因は、「上映時間が長い」こと、そしてそれも相まって観るのにものすごく気構えていたこと、というのがあると思う。上映時間は、約4時間。

この「上映時間の長さ」について、まず言えるのは、
一度見始めたらもうそれは気にならんよ! ということ。
なぜってとにかく、テンポがいいから。
どんどんどんどん話は展開していくし、ストーリーをつなげるために無駄にだらっとあるシーンとかが、無い。しかもそのことが、主人公がどんどん道を切り拓いて進んでるって感覚にもつながっている気がして、私にとってこのテンポのよさは非常に爽快でした。

あと、これからこういう名作映画を観ようという第一作目だったということもあって考えたんやけど、この長さも含めて、これこそがそもそもの映画体験なのでは…? という気がしました。

ちょっと想像したいんやけど、当時の人にとっての「映画」って、
「今日は映画を観に行こう!」と言い合って、みんなでわいわい映画館に行って、4時間くらいの長い時間をシアターの前で過ごして、ものすごい非日常を「体験」して帰る、というのが「映画を観る」という非常に特別なことだったはず。
いまやiphoneでも映画って観られるけど、当時の人のその映画に対する特別感ってとっても豊かで羨ましい。

この映画の中の一番の冒頭、”Overture(序曲)”と書かれた静止画にずっと音楽だけが流れるっていうシーンがあります。
たぶんDVDで観てたら、「あ、音しか鳴らへん、映像止まった…」と、DVDデッキの故障をまず疑うと思う(私はそうだった)。
いやしかし、これは早送りせず、観てほしい。この”Overture”と書かれただけの静止画を観て、この壮大な音楽を聴いて(全篇通して音楽素晴らしいです! 幸せ!)、「いよいよ映画がはじまるぞーー」という興奮を当時を想像しながら味わってみてほしいです。

途中2時間くらいで休憩の時間もあります。
これもこの間に、前半の感想とか、続きの予想とか、ちょっと飲んだりしながら話したりする時間だったんはず。
なんかそういうのも含めて映画やったんやろうな、いいな。

てなわけで、もちろんほかにも、
業火の中馬車が進むシーンや圧倒的な数のエキストラによる、画面のすさまじい迫力とか、
恋愛映画だと思ってたけど、そうじゃないんや…ってなこととか、
主人公をどう思う? って話とか、
まだまだ内容について話したいことはたくさんあるんやけども、
とりあえず第一作目は、「映画って素晴らしいですね」ということでまとめさせてください。(笑)

ちなみにこの映画が作られたのは、1939年でもう第二次大戦でいよいよ日本も困窮に向かっていくという時代で、日本で1952年に公開されたとき「こんなの作ってた国に勝てるわけないよ…」と言われたというのはまさに頷けました。


次回は、ヒッチコックの『裏窓』の予定です。では。

有里